2008年度作品。アメリカ映画。
スペイン、サラマンカ。シークレットサービスのバーンズは同僚のテイラーと共にテロ撲滅サミットに出席するアシュトン米大統領の警護にあたっていた。ところが、広場で大群衆を前にした大統領に、1発の銃弾が――。鍵を握る目撃者は8人。しかし彼らがそれぞれ異なる地点・立場から見たものは食い違っていた。
監督はピート・トラヴィス。
出演は「デイ・アフター・トゥモロウ」のデニス・クエイド。「LOST」のマシュー・フォックス ら。
非常にスリリングな作品だ。
大統領狙撃という衝撃の事態を多視点で描くことで、事件の全貌を徐々に、複合的かつ立体的に浮かび上がらせているのが興味深い。
そのサスペンスフルなトーンのおかげで最後まで集中力を切らすことなく、ドキドキとしながら楽しむことができた。
ラストのカーチェイスといい、テンポの速い展開といい、エンタテイメントにとことん徹しているのが伝わってきて、非常に好感が持てる。
綿密に組み立てられた構成と共に、ほれぼれするばかりだ。
もちろんそういう作品にありがちなことだが、つっこみどころもある。
最大のつっこみどころは別に「大統領」を狙撃する必要などなかったというところだろう。
テロリストはシークレットサービスのことを把握し、周到な計画を練っているが、大統領殺害が目的ではないのなら、広場で「大統領」を狙撃をする必然性などないはずではないか? それは警戒態勢を強化させるだけで、無駄にリスクを生んでしまう。
実際、広場で撃たずに目的だけを遂行していたら、テロリストの計画は成功していたと思う。
もっともそれをつっこんだら映画自体が成立しないわけだが。
だがそういった細かいことさえ考えなければ、単純におもしろいことは請け合いだ。エンタメなんてそれで充分なのである。
評価:★★★★★(満点は★★★★★)
出演者の関連作品感想
・マシュー・フォックス出演作
「スモーキン・エース / 暗殺者がいっぱい」
・フォレスト・ウィッテカー出演作
「ラストキング・オブ・スコットランド」
・ウィリアム・ハート出演作
「グッド・シェパード」
「シリアナ」
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